
ECモールの中でも国内外を問わず、多くの方が利用している「Amazon」には、数多くの商品が出品されています。利用者も多いことから、Amazonに出品して商品の売上拡大を目指したいと計画されている方もいるでしょう。
しかし、そのような人の中には、実際にAmazonへ出品する方法はどのような流れで、どのような手続きが必要となってくるのかわからないといった方もいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、初心者向けにAmazonで出品するやり方や手数料について解説します。出品前に知っておきたい注意点やトラブルと対策方法についてもまとめているので、最後までぜひご覧ください。
目次
審査に通過すればAmazonでの出品は誰でも可能!

Amazonへの出品は法人に限られているとイメージされている方もいますが、実際には個人事業主であってもAmazonで出品することは可能です。
ただし、通常のAmazonアカウントを持っていても出品はできません。実際に出店ページを作成するには、Amazon側が設けた審査に通過する必要があります。
ただ、AmazonはECモールの中でも一際大きい規模を誇っており、その月間利用者数は約5,000万人以上です。そのため、多くの方に商品を届けたいと考えている方にとって、Amazonでの出品は大きなメリットといえるでしょう。
Amazonで出品する流れ

実際にAmazonで出品するためには、どのような手順で登録を行えばよいのでしょうか?続いては、Amazonで出品する流れをご紹介します。
1.出品用アカウントの登録
まずは、出品用アカウントの登録を行います。一般的なアカウントとは異なり、「Amazon出品サービス」のページから登録します。出品に対して不安な方は、まず資料請求で問い合わせてから検討するのもよいでしょう。
アカウント登録に必要な書類を用意しておき、手続きが完了したら審査に移ります。
審査は約3営業日で完了するため、お急ぎの方は早めに登録しておきましょう。
出品用アカウントの登録に必要な書類一覧
出品用アカウントを登録する際に必要な書類は、法人か個人事業主かで異なります。本人確認書類は有効期限内のパスポートもしくは運転免許証を用意してください。マイナンバーカードは利用できないので注意が必要です。
登録の際に必要な書類【法人】 | ・会社情報(登記簿謄本)法人番号登記簿上法人名本社所在地 ・郵便番号店舗名アカウント担当者の情報 ・本人確認書類(顔写真入り) ・クレジットカード情報 ・各種明細書 |
登録の際に必要な書類【個人事業主】 | ・アカウント担当者の情報 ・本人確認書類(顔写真入り) ・クレジットカード情報 ・各種明細書 |
各種明細書とは、過去180日以内に発行された取引明細書を指します。
たとえば、クレジットカードの利用明細書やネットバンキングの取引明細、預金通帳などです。
2.必要な情報の入力
出品用アカウントに登録できたら、出品者用のプロフィールを設定するために必要な情報を入力していきましょう。
特定商取引法などの法令にもとづいた表示
Amazonに出品する場合、以下の特定商取引法にもとづいた表示を公開しなくてはなりません。
- 販売業者名
- 住所
- 運営責任者
- 店舗名
- 電話番号
支払い情報の設定
商品が購入された場合の売上が振り込まれる口座情報と、手数料や広告費を支払うためのクレジットカード情報を入力しましょう。
商品の支払い方法でコンビニ払いや代金引換なども追加することが可能です。
配送や返品に関する設定
返品のリクエストがあった際に返送される住所や、自己発送の際に配送料金を地域別で設定できる項目、お届け日時の設定などを入力します。
なお、配送設定に関しては、FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用する場合設定は不要です。
許認可情報の登録
許認可情報は、法令上表示を義務付けられている商品を出品する場合に設定します。
たとえば、中古品を販売するのであれば古物商許可証、酒類を販売する場合は酒類小売業許可証や通信販売酒類小売業許可証が必要です。
3.出品
次に、出品したい商品の情報を登録していきます。
すでにAmazon内で販売されている商品であれば、商品ページを新たに作成する必要はありません。
相乗り出品として簡単に出品登録を行えます。
一方、オリジナル商品やAmazonでは販売されていない商品の場合、JANコードや商品名、説明文などを入力します。JANコードがない場合、サポートセンターに問い合わせて製品コードを免除してもらいましょう。
4.注文後の対応
実際に注文が入ったら、発送の対応を行います。自己発送の場合はまず納品書を印刷し、商品の梱包・発送を行います。発送が完了したら出荷通知ボタンを押しましょう。
ただし、FBAを利用している場合は、これらの手間をすべて省くことが可能です。
FBAではAmazon専用倉庫に商品を保管しておき、注文が入ると梱包から発送、返品対応まですべて代行してくれます。ただし、配送代行手数料や在庫保管手数料などがかかってしまうため注意が必要です。
Amazonでの出品には手数料がかかる

Amazonで出品する場合、さまざまな手数料が発生します。どれくらいかかるのか事前に把握しておかないと、手数料で想定以上のコストがかかってしまい、大きな負担になってしまうことでしょう。具体的にどのような手数料がかかるのか解説していきます。
販売手数料について
販売手数料は、商品のカテゴリによって異なる手数料です。
各カテゴリに最低販売手数料が設定されており、出品者は最低販売手数料かカテゴリ別販売手数料のどちらか高い方を支払います。
以下は各カテゴリの販売手数料と最低販売手数料の一部です。
カテゴリ | 販売手数料 | 最低販売手数料 |
---|---|---|
本 | 15% | なし |
ミュージック | 15% | なし |
DVD | 15% | なし |
携帯電話・スマートフォン | 8% | 30円 |
カメラ | 8% | 30円 |
PC・周辺機器 | 8% | 30円 |
家電アクセサリ | 10% | 30円 |
ドラッグストア | 1点あたり売上合計額1,500円以下の場合…8%1点あたり売上合計額1,500円を超える場合…10% | 30円 |
ビューティ | 1点あたり売上合計額1,500円以下の場合…8%1点あたり売上合計額1,500円を超える場合…10% | 30円 |
スポーツ&アウトドア | 10% | 30円 |
カー&バイク用品 | 10% | 30円 |
おもちゃ&ホビー | 10% | 30円 |
TVゲームソフト | 15% | なし |
TVゲーム機本体 | 10% | 30円 |
文房具・オフィス用品 | 15% | 30円 |
ホーム&キッチン | 15% | 30円 |
生活・キッチン家電 | 10% | 30円 |
食品&飲料 | 1点あたり売上合計額1,500円以下の場合…8%1点あたり売上合計額1,500円を超える場合…10% | なし |
ビール | 6.5% | なし |
服&ファッション小物 | 1点あたり売上合計額3,000円以下の場合…12%1点あたり売上合計額3,000円を超える場合…8% | 30円 |
シューズ&バッグ | 1点あたり売上合計額7,500円以下の場合…12%1点あたり売上合計額7,500円を超える場合…6% | 30円 |
その他 | 15% | 30円 |
月額登録料について
月間登録料は、大口出品プランを選択した際に支払う手数料です。
毎月5,390円(税込み)を支払う必要があります。
商品が毎月50点以上売れる、もしくは50点以上売りたいと考えている場合は大口出品プランを選んだ方が手数料を安く抑えられるでしょう。
また、大口出品プランだとすべてのオプションを利用でき、なおかつAmazonのカタログ上にある商品以外のアイテムも出品できるようになります。そのため、オリジナル商品の販売や広告を出したい場合、幅広く決済手段を設けたい場合には大口出品プランがおすすめです。
成約料について
成約料は、小口出品プランを選択した際に支払う手数料です。
月額料金が発生しない代わりに1点売れるごとに110円(税込み)の成約料が発生します。
毎回売れるごとに成約料はかかってしまうものの、商品が売れなければ手数料が発生することもありません。そのため、販売する商品が決まっていない場合や、Amazonに初めて出品される場合は小口出品プランを選択するとよいでしょう。
FBAを利用した場合の手数料について
FBAを利用する場合、配送代行手数料と在庫保管手数料、その他の手数料が発生します。
配送代行手数料
配送代行にかかる手数料は、商品のサイズや重量によって区分が分かれています。
たとえば、60cm以下で2kg以下の場合、手数料は485円(税込み)です。
在庫保管手数料
商品の在庫をAmazonの倉庫に保管しておく際にかかる手数料です。商品のサイズや期間によってかかる手数料が異なります。
また、在庫保管手数料に関しては日割りの月単位で請求されるのが基本です。
その他の手数料
配送代行や在庫保管のほかにもFBAでは手数料がかかってきます。
たとえば、保管期間が365日を超えた場合に発生する「長期在庫保管手数料」や、在庫処分や返送を依頼する場合に発生する「返送・放棄手数料」などです。
FBAにはさまざまな手数料が設定されているため、登録する前に料金がどれくらいかかるのか事前にシミュレーションをしておきましょう。
初心者必見!Amazonで出品する際のポイント

Amazonに出品できたとしても、必ず商品が売れるわけではありません。売れるためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?ここからは、Amazonで出品する際のポイントを解説します。
競合の値段は常にチェックする
まずは、競合商品の値段をチェックすることが大切です。似ている商品だった場合、消費者は価格面を見て選ぶケースもあります。相場が同じくらいであれば、各商品の機能や価値によって判断されるでしょう。
そのため、競合の値段は常にチェックしておき、現在の相場やトレンドなどを把握しておくことが大切です。ただし、値段の安さだけを売りにしてしまうと薄利多売となって利益が出しづらくなってしまいます。
競合と比較して値段を変更する際は損益分岐点を確認し、きちんと利益が出るようにしましょう。
カートボックスを獲得するための条件を満たす
Amazonは、1つの商品につき1ページが原則です。
そのため、店舗ごとに同じ商品を販売するページを作成することはできません。同じ商品を販売しているそれぞれの店舗の情報が、同じページ内に存在することになります。その際に、デフォルトの販売者(ページ内で1番大きく表示される販売者)として設定されることを「カートボックスを獲得する」と呼ぶのです。

消費者はデフォルトに設定されている店で購入することが多いため、カートボックスを獲得できれば売上にも影響してくるでしょう。
カートボックスを獲得する条件は、以下の5つです。
- 大口出品プランを選択している
- 最安値に設定されている
- 出品の実績や評価が高い
- 配送プランがFBAになっている
- 一定数以上の在庫がある
ただし、相乗り出品者がいない場合は、5つの条件を満たしていなくてもカートボックスを獲得することが可能です。
ほかにはないオリジナル商品を出品する
相乗り出品だとどうしても競合と価格競争になりやすいうえに、売上につながりにくくなります。そこで取り入れたいのがオリジナル商品の販売です。オリジナル商品であれば価格競争にも巻き込まれず、自由に価格設定ができます。
ただし、オリジナル商品を販売する場合、ブランドとしての価値を構築することも大切です。
ブランドとしての価値の構築には商品の品質がよいこと、魅力的でわかりやすい商品ページであること、口コミで高評価が付けられていることなどが重要となります。ブランド構築には手間とお金がかかってしまうものの、構築できれば安定した収益を生み出せるようになるでしょう。
広告出稿を検討する
Amazonでは1商品1ページが原則となりますが、似ている商品があるといくつも表示されてしまい、検索時に埋もれてしまう可能性があります。
そこで、検索で上位表示をさせたい場合は、広告を活用しましょう。
Amazon内での広告にはいくつか種類がありますが、手軽に出稿したい場合はクリック課金型の「スポンサープロダクト広告」を選んでみましょう。スポンサープロダクト広告を出稿する場合、以下の条件をクリアする必要があります。
- 大口出品プランを選択している
- 新品の商品を扱っている
- カートボックスを獲得している
- 国内の住所すべてに発送できる
Amazonで出品する際に事前に知っておくべき注意点

Amazonで出品する際にはいくつか注意すべきポイントもあります。続いては、事前に知っておきたい注意点を3つご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
販売手数料は比較的高め
Amazonの販売手数料は商品のカテゴリによって異なるものの、8~15%の販売手数料がかかってきます。
この販売手数料は、ほかのECモールの中でも比較的高めです。
ただし、販売手数料は比較的高めに設定されているものの、プランの料金に関してはほかのECモールに比べて安く抑えられています。トータルのコストで見るとほかのECモールとそれほど差がない場合もあるので、トータルコストで比較検討してみましょう。
競合他社が多い
Amazonは大手企業も含め、中小企業から個人事業主まで多くの事業者が商品を出品しているのが特徴です。
相乗り出品だと競合の数が多く、カートボックスを獲得したくてもなかなかできない場合もあります。
また、競合他社と違いを出すために激しい価格競争が行われているのも事実です。この競争に巻き込まれてしまうと、商品が売れても利益にならないケースが起こりえます。また、競合他社との差別化を図るために店舗の独自性を出すことも重要となりますが、この独自性も難しい点の1つです。
クレジットカードが必要
Amazon出品用のアカウントを作成する際には、クレジットカードの作成も必要となります。
クレジットカード情報の入力が必須となっているため、カードを持っていない方は事前に発行しておかなくてはなりません。
なお、クレジットカードがつくれない場合は、銀行口座と紐づいているデビットカード(一部)でも代用できます。
Amazonでの出品でよくあるトラブルと対策法

Amazonの出品時にはさまざまなトラブルが発生してしまうこともあります。どのようなトラブルが発生するのか、またトラブル発生時の対策法について把握しておきましょう。
出品制限に引っかかってしまう
Amazonは、商品の偽物や盗作などで収入を得ることを防ぐために、出品制限がかけられている商品もあります。
出品者によって制限の対象は異なりますが、比較的出品実績が少ない出品者ほど対象が多くなる傾向にあるようです。
出品制限がかかってしまうと販売が難しくなりますが、出品実績を積み重ねていくことで制限の対象も緩和されていきます。そのため、制限に引っかかってしまってもほかの商品で実績をつくるようにしましょう。
出品禁止商品を出品してしまう
制限ではなく、そもそも出品が禁止されている商品もあります。
たとえば、日本国内では非合法に該当する商品やリコールの対象となっている商品です。
出品が禁止されているにもかかわらず出品してしまうと、出品用アカウントが永久停止されてしまう可能性があるので注意しなくてはなりません。
もし、出品の禁止・制限に該当するか判断が難しい場合は、アカウントの停止処分を避けるために出品しない、または弁護士などに相談してみましょう。
費用がかさんでしまう
競合他社に負けないよう広告を出稿する方もいますが、その分広告費がかかってしまうことに悩んでいる方も一定数います。広告を出稿する際は闇雲に行うのではなく、費用対効果がきちんとあるか判断することが大切です。
たとえば、Amazon広告にもいくつか種類があるため、自社に合った広告を見極める必要があります。
上記でスポンサープロダクト広告がおすすめと紹介しましたが、ブランドの訴求と集客率の増加を目的としている場合は、スポンサーブランド広告がおすすめです。
また、広告の効果を高めるために、ターゲットキーワードや商品ページを定期的に見直すことも重要となります。こういった施策と広告を組み合わせることで、費用がかさんだとしても、その分利益の向上につながるでしょう。
Amazonでの出品についてよくある質問

最後に、Amazonでの出品についてよくある質問をまとめました。気になることがある方は、こちらもぜひ確認してみてください。
個人事業主と法人では出品方法に違いはある?
大口出品プランは個人事業主でも選べるため、とくに法人との違いはありません。
出品方法にも大きな違いはないものの、アカウントを作成する際に「会社情報の入力」を行うかどうかが違ってきます。
法人の場合は会社情報の入力が必要で、登記簿謄本を用意しておかなくてはなりません。法人名や法人番号、会社の住所などを登録していきましょう。一方、個人事業主の場合は会社情報の入力は行わず、ビジネス情報を入力したらすぐに出品者情報の入力に移行します。
Amazonで出品するためには何が必要になる?
Amazonで出品するには、アカウントを登録する必要があります。アカウントの登録時に必要な書類は以下のとおりです。
- 本人確認書類(顔写真入り※マイナンバーカードは不可)
- 180日以内に発行した取引明細書
- クレジットカード
- 銀行口座
- 電話番号(携帯電話でもOK)
- メールアドレス
- 登記簿謄本(法人のみ)
- 特定商取引法にもとづく住所や電話番号(大口出品プランのみ)
まとめ:出品用アカウントの登録を行い、Amazonで商品を出品しよう

今回は、Amazonで出品するやり方や手数料、注意点などについてご紹介しましたAmazonで出品する場合、出品用のアカウントを登録する必要があります。出品用のアカウントは個人事業主・法人にかかわらず登録することが可能です。出品用アカウントを登録する前に、手数料がどれくらいになるかシミュレーションをしておくとよいでしょう。
また、Amazonの出品コストを抑えつつ売上を向上させたい方は、Amazon専門コンサルティング・運用代行サービスの「アマブースト」の利用を検討してみてください。1社1社に適したオーダーメイド型のサービスを提供しており、売上拡大社数は300社以上、売上平均上昇率は324%にも上る実績があります。ぜひAmazonでの売上拡大を目指している方は、アマブーストをご利用ください。